帰ッテキタせぇるすまん(The Salesman Returns)

この本は『笑ゥせぇるすまん』というアニメの英語版です。『笑ゥせぇるすまん』は最初『黒ィせぇるすまん』というタイトルで1969~1971年に漫画サンデーに連載されていました。
そして1989年にテレビ放送される際に『笑ゥせぇるすまん』にタイトルが変更されました。私もそうですがこのときに多くの人に知られたと思います。
『笑ゥせぇるすまん』は30年ほど前、故大橋巨泉氏の番組の中で10分ほどのアニメとして放送されていたと記憶していました。
調べたところ1989~92年にかけてTBSテレビで放送され番組名は「ギミア・ぶれいく」でした。番組の内容はほとんど忘れましたがこのアニメのコーナーと巨泉さんが教える「つかえる英語表現」のミニコーナーがあったことは覚えています。
確か、番組名の「give me a break」についても解説していてこのときに初めてこの表現を知った覚えがあります。ちなみに意味は「勘弁してよぉ~」といった感じです。
内容は主人公のセールスマン喪黒福造が悩みや叶わぬ願望を持っている人(多くはサラリーマン男性)の問題を無料で解決してくれるというストーリーです。
ただし、その際必ず禁断の果実を渡されます(ある約束をさせられる)。食べなければハッピーエンドで終われるのですがその果実は巧妙に人間の心の弱さを突いているので必ず食べてしまう(約束を破ってしまう)のです。
一旦は極楽を味わうのですがその後必ず地獄に突き落とされるといったパターンです。
サラリーマンの日常の風景を描いた作品が多いので日常よく使う英語表現が学べます。『島耕作』がエリートサラリーマンなのに対してこちらはもっと庶民的です。
いま、多くのバイリンガルの漫画を出版しているのは講談社ですがこの本は実業之日本社です。実業之日本社からは『帰ッテキタせぇるすまん』の他では『鉄腕アトム』と『ジャングル大帝』が出ていますがどちらもシリーズ化はされていないようで1冊ずつです。3冊とも2013/08/29に出版されています。
『帰ッテキタせぇるすまん』は一話完結で10分程度のアニメだったので英語で読んでもそれほどかかりません。日本語訳が載っているので辞書を引く手間がかからずスイスイ読めます。
ストーリーも面白いので飽きずに読めます。特に男性サラリーマンには共感できることも多いのでお奨めです。
ワンポイントレッスンで重要表現がまとめられていて便利です。
『笑ゥせぇるすまん』の日本語版はもっとたくさん出版されているはずなのに残念ながらバイリンガル版はこれ1冊のようです。
続編が出れば読んでみたいのですが仕方ありません。読んでみれば今の人達にもおそらく面白いと思いますがやはり30年前にアニメを見た世代でないと興味がわかないのでしょうね。
それで売れないから出版されないのでしょう。
まぁ今の時代、読みきれないほどの面白そうなバイリンガル漫画があるのでそちらから読んでいくとしましょう。バイリンガル漫画ブームに火がついて『笑ゥせぇるすまん』も売れだしたら続編が出るのではないでしょうか。
『SHERLOCK 』を読む予定でしたがレビューより自分の興味を優先して『The Salesman Returns』にしました。
次回は『あさきゆめみし』の予定です。