あさきゆめみし(バイリンガル版)

『あさきゆめみし』は『源氏物語』の漫画版で日本語バージョンは文庫版が全7巻、コミック版が全13巻です。
やはり、大きくて読みやすさのせいか文庫版よりコミック版のほうが高評価です。古典の勉強に買う方が多いようです。もし高校生の頃この漫画があったら私も間違いなく買っていたでしょう。
漫画ではないのですがイラストがところどころに挿入されていて多少読みやすくした源氏物語の解説書のようなものを買った覚えがありました。
探したところ出てきました。『週刊光源氏』という名前で2分冊になっています。しかし、結局ほとんど読まずじまいで本棚の奥でホコリを被っていました。これ↓
ところどころにイラストがあって囲み記事が合ったり、見出しを週刊誌風にセンセーショナルにして興味を引く工夫はされていたのですが結局読みませんでした。
漫画はビジネス書にも有効
今回バイリンガル版の『あさきゆめみし』を読んだあとに読んでみたところなかなかおもしろく書かれていることに気づきました。
やはり、登場人物のキャラクターや相関関係がある程度分かると興味が倍増して読む気が起きます。
したがって難解な本でも最初は敷居の低い漫画から入るのはありだと思います。最近は、英語に限らずビジネス書などもどんどん漫画化されており大人気のようです。
引き金は当初は漫画ではなかったけど大ヒット後にアニメ化された『もしドラ』あたりではないかと思います。経営学の名著、ドラッガーの『マネジメント』をドラマ仕立てでわかりやすく解説した本です。野球部の女子マネが『マネジメント』を参考にしてへっぽこ野球部を甲子園に導くという漫画チックなストーリーです。
『7つの習慣』など有名なビジネス書がどんどん漫画化されています。外国でも日本の漫画は大人気のようで漫画の未来は明るいですね。
バイリンガル版『あさきゆめみし』は『源氏物語』の入門書として最適
通常の『あさきゆめみし』も実際の源氏物語からすれば大分要約されてコンパクトになっていると思いますが、バイリンガル版はさらに凝縮されていて星の章(光源氏誕生から19才)、花の章(19才~25才)にまとまっているので『源氏物語』の入門書としてうってつけです。
バイリンガル版の日本語を読んだだけでもだいぶ『源氏物語』の概要が分かるので古典の勉強としても読まない手はないですね。バイリンガル版で概要を知った上でさらに興味が湧けば通常のコミック版または文庫版を全巻読むのが良いと思います。
英語のほうが分かりやすいい
英語で読んだほうが日本語よりもさらに分かりやすい箇所がしばしばあります。
例えば
主上→Emperor
中宮→Empress
東宮→Crown Prince
など。
また、和歌などはほとんどの場合英語のほうが断然分かりやすいです。
したがって古典の勉強として読む場合もバイリンガル版はお奨めです。
『あさきゆめみし』は今まで読んだバイリンガル漫画と比べて特に難しいということはありませんが各ページの文字数が多いので読むのに時間が掛かります。その分お得ともいえますが文字が小さいので人によっては読みにくいかもしれません。
若い人は問題ないと思いますが私は少々苦労しました。
まとめ
バイリンガル版の『あさきゆめみし』のおすすめポイントまとめ
・英語の勉強のみならず古典の勉強にもなる
・日本語の現代語訳よりも英語のほうが分かりやすい
・ラブストーリーとして楽しめる
・男性は女性の口説き方を学べる。
・女性は男性は女性のどのようなところに惹かれまたどのようなところを疎んじるかが学べる。※星の章の1/4くらいのページで光源氏、頭の中将、左馬頭、藤式部の丞が女性論を語っているところが参考になります。まぁ、男の勝手な言い分ですが…。
一部を紹介しますと
やさしい女は情に流されて浮気をしかねないが、さりとてしっかりものはがさつで色気に乏しい…。
A tender woman swayed by pity will have no scruples about having a love affair.An efficient woman can be too rough and unromantic.
改善してほしい点
・ページを付けて欲しい。
・タイトル、見出しを付けて欲しい。
・たまにカラーページがあればなお良い。
次回の予定は未定です。ではまた。